公園やベランダによくいる、あの鳩のことをドバトと言います。見てる分にはまだ良いけど、ベランダなどに住みつかれると非常に厄介です。無理に退治しようとすると法律違反になることもありますので、正しい知識を身に付けて対応できるようにしましょう。
目次
ドバトとは
由来:中近東、北アフリカ、南ヨーロッパなどの乾燥地帯に住む野生のカワラバトが飼いならされた鳥です。日本には古く奈良時代に持ちこまれ、多くの人に飼われていましたが野生化し、現在のように公園などに住みつくようになりました。
おもに都心部で大繁栄しているハト。世界中に4億羽いると言われていますが、毎年全体の35%は死んでいるという驚くべき事実。(主な死因は餓死、凍死、奇襲)
習性
木の実、草の実、芽、葉など、植物性のものを食べ、雑草の種を駆除してくれるといった良い面もあります。
また、遠く離れた場所からでも、自分が育った土地に帰ってくる能力があります。(帰巣本能とも言われる習性)この習性はまだ解明されておらず、太陽や地磁気を用いる説や、ニオイを頼っている説など諸説あり。
行動
群れで行動し、雨の振り込まない棚状のところにねぐらや巣をつくります。繁殖期は長く、早春から初冬まで何度も子育てをします。
知能は意外なほど高く、よくエサをくれる人間を1km先から見分けられるほど。人間の歩き方や服装・顔など人の特徴を細かく観察して記憶しています。
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こんな苦情がよくあります
・ベランダの手すりやひさしに群れでやってきて、糞や羽毛であたりを汚す。
・鳴き声がうるさい。
・ベランダなどに巣を作ってまわりを汚す。ダニが発生する。
・健康被害が心配。
(オウム病やクリプトコッカス症、アレルギーなどの病気のこと。病気についてはページ下部にて解説)
ハトには餌をやらないこと!
・ドバトは繁殖力が強く、天敵も少ない為、すぐに増えてしまいます。
・ドバトが増えてしまうと、「ドバト危害」も増加します。最近では、公園などでエサをやる人と近隣住民との間でトラブルが頻繁に発生しています。
増えすぎることはドバトにとっても良いことではありません。むやみにエサを与えることはやめましょう。
ドハトを駆除する方法
ドハトはベランダなどに降りるとき、いったん手すりなどにとまり安全を確かめる性質があります。手すりにとまれないと降りることはできないので、手すりにテグス等を張り、とまれなくしましょう。この手法をテグス法と言います。
テグス法の正しいやりかた
釣り用テグスまたは20番程度のステンレスワイヤを木片などを利用して、手すりや上面から5-6cmの場所にピンと張る。
鳥の重さでたるむようでは何の効果もないので注意。
幅の広い手すりでは、テグス(ワイヤ)を約5cm間隔で並列に張るとGood。
・トバトは糞のあるところが安全だと判断するようで、糞を放置するとますます集まってきます。面倒でもこまめに掃除をして、ベランダなどはいつも清潔な状態を保ちましょう。
・ドバトは雨のかからない乾いた棚状の場所に巣を作ります。特に人の出入りが少ないベランダの隅やエアコン室外機の下や裏などを好みます。このような場所に入らせない工夫を行うとともに、常に清潔を保ち、巣を作り始めたらすぐに取り除いてください。
・巣を作りそうな場所には、動物忌避剤や木酢液など臭いのする薬品等を雑巾などに浸して置いておくと寄りつきません。
・すでに巣作りしてヒナや卵がある場合は、巣立ってから巣材を取り除きましょう。卵は16-18日で孵り、ヒナは約30日で巣立ちます。
(許可なく野鳥を捕獲することは、法律により禁止されています。迷惑だからといって捕まえたり、ヒナを獲ってはいけないのです・・・。)
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ドバトが原因の怖い病気
トキソプラズマ症
「トキソプラズマ」という、とても小さな生物に寄生されることによってトキソプラズマ症が発現します。一説では、世界人口の3分の1が病気に感染しているほど広まっている病原菌になります。健康な成人の場合は感染しても無兆候に留まり、体内の免疫系に抑え込まれる場合が多くなるでしょう。しかし、妊娠初期の妊婦さんが初期感染した場合、胎児に危険が及ぶ場合がありますので、妊婦さんの居るご家庭では細心の注意が必要です。
クリプトコックス症
クリプトコックス症とは、空気中や土壌などに分布するカビによる感染症です。このカビを吸入することによって、喘息などの症状が生じます。
通常であれば免疫力によってカビの増殖を防ぐことができますが、免疫の低い方の場合、脳炎や髄膜炎に繋がってしまう恐れもあります。鳩などの鳥類はこのクリプトコックス属のカビを保有している個体が多く、糞などに含まれている危険性があります。基礎体温の高い鳥類はこの菌に感染しませんが、鳥よりも体温の低い人間は感染してしまうこともありますので、鳥の糞や死骸には十分な注意が必要です。
ヒストプラズマ症
ヒストプラズマ症は鳩の糞などに含まれるばい菌による症状の一つです。この菌を大量に吸入した際に「急逝肺ヒストプラズマ症」などに感染する恐れがあります。毒素を出す菌ではありませんが、体内組織の炎症反応を引き起こしますので、症状自体はインフルエンザのように発熱・筋肉痛などが主になります。一般的な症状ですと数週間で自然治癒しますが、免疫不全の方や肺疾患者の場合は致命的な病状に発展してしまう恐れもありますので、糞害が起きないように対策することが重要です。
オウム病
「オウム病」という名前から誤解される方も多いのですが、鳩もオウム病の病原菌を保有している場合があります。病原菌である、クラミジアはインフルエンザのような症状を人間に引き起こし、治療が遅れてしまうと、肺炎や気管支炎などの疾患を示す場合があります。このオウム病は鳩も発症するケースがあり、給餌などによって感染が拡大する場合もあります。代表的な鳩「ドバト」の保菌率は20%と高く、異型肺炎と誤診されるケースも多いことから、潜在的な感染者は多いものと思われます。
鳥インフルエンザ症
鳥インフルエンザは、主に鳥類に感染するインフルエンザウイルスのことです。インフルエンザという名前とは一転して、人間への感染リスクは極めて低いウイルスになります。しかし、ウイルスの側面上から変異する場合も多々あるでしょう。数年毎に新型のインフルエンザウイルスが発見されていることからも分かる通り、人間から人間に直接感染できるように、ウイルスが変異することも考えられます。人間が鳥インフルエンザに感染した事例も報告されておりますので除菌対策を徹底するようにしましょう。
さいごに・・・
どうしても被害の軽減が図れない場合は、各都道府県の動物愛護相談室に有害鳥獣の捕獲許可について相談してみてください。
ただし、捕獲許可申請についてはその土地の所有者か管理者・依頼を受けた業者が行い、申請者が捕獲することになります。
▼それでも解決しない場合は…